インタビュー

VOL05 八王子消防署浅川出張所 消防活動二輪車(クイックアタッカー)

更新日:

24時間365日高尾山を守る赤いバイク、クイックアタッカー

山岳救助以外でも活躍するクイックアタッカー

――クイックアタッカーは、いつからあるのでしょうか?

浅川出張所:クイックアタッカーの創設は平成9年になります。平成7年に発生した阪神淡路大震災の教訓をきっかけとして運用が始まりました。

――クイックアタッカーの隊員には、どのようにしてなるのでしょうか?

浅川出張所:まずは試験を受けて資格を取得します。試験は実技試験、学科試験、面接となります。その後、3週間の内部研修を受けます。
希望者も多く、去年は20名ほどの募集枠に70名くらいの志願がありました。

東京消防庁管内では10カ所に配備されています(八王子/浅川のほか、日本橋、蒲田、世田谷、渋谷、豊島、足立、深川、向島、青梅)。

――渋谷などにもクイックアタッカーがあるのですね!

浅川出張所:はい。浅川出張所は山岳救助が多いですが、都市部では高速道路での事故などに出動します。
そのため、エリアによって装備の違いもあります。
浅川出張所でも中央道や、高尾山ICができてから圏央道への出動も何件かあります。
ちなみに、当出張所には9名の有資格者が在籍しています。

現場に到着後は、右のライダースーツから、左の山歩きに適した服装に着替える。
山岳救助の場合、現場到着後に、右のライダースーツから左の山歩きに適した服装に着替える。

クイックアタッカーは2台で行動します。
1台は救助道具がメイン、もう1台は救急道具をメインに装備しています。
これに加えて1台が予備として控えています。

装備品の数々。バイクにはこの量しか載らないので、他の車の出動も必要になる。
装備品の数々。バイクにはこの量しか載らないので、他の車の出動も必要になる。

――小林さんは去年クイックアタッカーの資格をとられたとのことですが、最初の頃は緊張されましたか?

浅川出張所:はい。ポンプ車は4、5人ほどで現場に向かうのですが、クイックアタッカーは2人だけで行って対応しなければいけません。今でもそうですが、最初の頃は特に緊張しました。
まず真っ先に駆けつけて、手当や情報収集をするのでクイックアタッカーは重要な役割を担っていると思っています。

登山客・観光客へのメッセージ

――最後に高尾山を訪れる登山客・観光客へメッセージなどあればお願いします。

浅川出張所:そうですね・・・、とにかく“事前準備をしっかりして、楽しく登ってもらいたい”ということですね。
これから(冬季)は凍結する道も増えてきます。転倒して怪我をするケースが多いので気をつけて下さい。

八王子消防署浅川出張所のみなさん。いつもありがとうございます
八王子消防署浅川出張所のみなさん。いつもありがとうございます

――本日は本当にありがとうございました。

* * *

高尾山の魅力の一つは、気軽に自然を楽しめるところにあります。
それも、消防署の方々の影の助けがあるからこそと、改めて認識しました。
取材で知ったのは、食事を摂らずに登って体調を崩す人が結構いるということ。あと靴は大切ですね。
“山”であることを忘れず、事前の準備と装備をしっかりして、楽しい時を過ごせるように気をつけましょう。

初日の出見物については、八王子市役所でも「高尾陣馬特別警戒連絡協議会」を設け、注意を呼びかけています。
毎年の状況や注意事項など、当サイトの記事にありますので、ご参考にしてください。
→「高尾山での初日の出見物について

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