滝山城跡の桜
滝山城跡というと、八王子市の桜の名所の1つとして知られる場所ですが、意外と、どのような桜が咲いているのか知らない、まだ行ったことがないという方も結構多いようです。
実は!滝山城跡は、一般的な桜の名所とはひと味もふた味も違う独特な雰囲気をもち、ソメイヨシノやヤマザクラなど5,000本の桜を楽しめるおすすめ度の高い場所なのです!
桜についてご紹介する前に、滝山城跡について、簡単に地理や歴史的なことに触れてみましょう。
場所は、八王子市の北部に位置し、中央自動車道八王子ICから、北西に3kmほど、またJR拝島駅から南西に2.5kmほどの場所にあります。
滝山城跡公園のすぐ北側には、多摩川の雄大な流れがあります。
かつて戦国時代、滝山城は北条氏が支配していましたが、1569年武田信玄による小田原攻撃に際して、途中にある滝山城が標的となりました。
多摩川の対岸から、兵2万の猛攻を受けましたが、落城寸前まで追い詰められるも、城主氏照を中心に守り抜いたと言い伝えられています。
実は「八王子城」は、上記の武田対北条の戦闘の後に、戦略上の利点から、造られたお城なんです。時期的な意味では滝山城のほうが、先輩にあたりますね(笑)
参考ブログ記事:「八王子城跡と御主殿の滝」
それでは、いよいよ本題の滝山城跡の「桜」をご紹介したいと思います。
2万の武田軍の猛攻を凌いだ滝山城だけあり、さすがに城跡に行きつくまでに急こう配の坂道を登ることになります。
案内板も充実していて、歴史的な理解を深めながら散策を楽しますし、公衆トイレなんかもあります。
この付近で、桜を楽しみながら、お弁当を広げる家族も多く、そんな光景をみていると、のどかに桜を楽しめていいな~という気持ちになってきます。
しかしそれだけでは、普通の桜の名所と変わりがありません!
中の丸から多摩川の見える東側へと移動すると、そこに見えるのはまさに多摩川の絶景です。
桜を楽しみながら、多摩川の雄大な景観を楽しめるのは、これはもう滝山城跡ならではの光景です!
ここは、かなりのお勧めポイント。
あの多摩川の対岸から武田信玄が攻めてきたのか!などと考えながら彼方を眺めるのもまた一興です(笑)
さて、一通り本丸・中の丸の景観を楽しんだ後は、次のポイント「家臣屋敷の南から馬だしの東側の丘陵・池跡」付近に広がる桜の群生林を目指します。
ここに来ずして、滝山城跡の桜の真骨頂を知るはできません!
防御と攻撃の両方の機能を備えた、城の出入口である虎口(こぐち)を通り過ぎ、東の方へと歩を進めると、付近はどんどんと桜の群生林の中に包まれるような雰囲気になり、「池跡」と呼ばれる場所は、まさに“幻想的”という言葉がふさわしい空間です。
そこにある桜の木々は、くぼんだ地形の底に生えているためか、太陽めがけて、かなり木の上の方に桜の花をさかせています。
ひょろっとした木の幹の集まりから上を見上げると頭上に見える桜の花々が、他ではなかなか見ることができない滝山城跡独自の空間を作り上げています。
この辺は、散策というよりちょっとした山歩きの感じもしますが、この独特な幻想的風景は、多くの人に観てもらいたいなと感じます。
* * *
見どころをざっくりと2つに絞ってご紹介しましたが、ぜひ、お時間があれば滝山城跡の桜をじっくりと楽しんでください。
最後に補足情報を3つほど、ご紹介したいと思います。
滝山城跡公園はこれまで駐車場がなく、滝山城跡の北東側にある滝ガ原運動場付近に駐車するしかありませんでしたが、滝山城跡の南側の滝山街道沿いにも駐車場が整備されました。
→「滝山観光駐車場│八王子市」
それから、滝山城跡さくらまつりというお祭りが毎年開催されています。
今年(平成26年)であれば、4月5日(土)の予定になっています。
桜のもとで、郷土芸能や歌謡ショーなどを楽しめます。
→「滝山城跡桜まつり│八王子市」
最後に、八王子市公認ゆるキャラ「たき坊」を忘れてはいけません!
滝山城跡のほど近くにある、少林寺の副住職が考案されたらしく、八王子滝山出身のたぬきのゆるキャラです!
公式ホームページもどうぞ!
http://takibou.jp/