八王子城山(川原宿大橋バス停〜八王子神社〜八王子城跡)
高尾山へ続く、甲州街道のいちょう並木が秋空に映える季節になってきました。
そんなすてきな黄色い景色の中を友人の運転する車でかけぬけ、八王子城山へ行ってきました。
高尾で城山というと、登山をよくする方だとまず思いうかぶのは、小仏城山だと思います。
小仏城山は、高尾山山頂から西、奥高尾と呼ばれる陣馬山方面へ1時間と少し歩くとたどり着ける、城山です。
今回行ってきた八王子城山は、高尾山からは北北東の方角にあります。
高尾山まで縦走もできますが、それはなかなかの健脚コースです。
私は足には自信がないので、今回は、八王子城山だけ登ることにしました。
実は日本100名城のひとつである八王子城跡がある八王子城山。
でも、なんだか登山者にはあまり注目されていなそうな八王子城山。
どんな山なのか気になります。
高尾駅からバスで約10分の、川原宿大橋から出発して、山頂へ登り、八王子城跡のガイダンス施設まで下山するコースです。
バス停から歩いてすぐの、心源院から登山道へ入ります。
かわいらしい、手作りの道案内があります。
八王子城山方面へむかいます。
お寺の裏山の、整備された階段や、落ち葉のふかふかした歩きやすい道を登っていきます。
つづら折りになっているので、ゆるやかに感じましたが、あっという間にお寺を見下ろせる高いところまで登っていました。
登りきったら、今度は木もれ日の中をくぐりぬけてゆく、気持ちのよい道になりました。
途中には見晴らしのよいところもあります。
登ったり、下ったり、意外とアップダウンのあるコースです。
またまたかわいい案内板です。
ここは、オススメの休息場のようです。
登山道からそれて、1分だけ登ります。
大六天というところに到着しました。
「大六天」という手作りの看板には「315m」と標高も書かれていていました。
だいたい、山頂まであと半分くらいのようです。ここまでバス停から、ゆっくり歩いて45分くらいでした。
ここはちょっとした広場になっていて、山の向こうの街なみまで見渡せて、とても気持ちのよいところでした。
ベンチもあるし、休憩にはもってこいの場所です。
少しだけ休憩して、先へ進みます。
アップダウンを繰り返します。
ところどころに手作りの道標が立っていて、三叉峠、ツツジ台、などとそれぞれ細かく名前がついているのが印象的でした。
この日は、山頂付近(八王子城跡の敷地内)までは1組とすれ違っただけで、ほとんど貸切りで、とてものんびり歩けました。
親切な看板もあります。
地元の有志のクラブの方々が、設置してくださっているようです。
それにしても、たくさんある看板がぜんぶ心のこもった作りで、愛されている山なんだなぁと感じました。
登りはじめて1時間半。だんだんおなかがすいてきました。
チョコレートをつまみながら、よいしょ、よいしょと登っていきます。
すこし岩場のようなところもあり、変化があって楽しいです。
この日は大丈夫でしたが、雨の翌日などでぬれていると滑りやすいので、気をつけた方がよさそうです。
また道の様子が変わってきました。
柵門跡、という看板のあるところに到着しました。
山頂付近にある八王子神社まであと0.4kmとありました。
このあたりからは、八王子城跡のエリアのようです。
山頂をめざしてあとすこし。
石段を登っていきます。
八王子神社に到着しました。
あとほんのすこし登ると、本丸、そして山頂のようでしたが、ここまで意外とアップダウンがあり、膝にこたえていたのと、はらぺこになっていたのとで、あっさり諦めました。
松木曲輪というところで、お昼にすることにしました。
曲輪、という言葉を私は初めて知りました。
わからないなりに、すごくおおざっぱに説明してみます。
お城の区画の、平面な部分のことをいうそうです。
その、えらい順に、本丸、二の丸、三の丸、などと呼ばれていたそうです。
ふむふむ。それは聞いたことがあります。
歴史にめっぽう弱い私にはなんだかむつかしいですが、うしろを振り向くと、ここが絶好のランチポイントであることは、よくわかりました。
広くて、テーブルとベンチもたくさんあります。
歩いていた時は汗ばむくらいでしたが、座るとやはり寒いです。
上着を着こんで、持ってきたシチューを温めて、お昼にしました。
体が冷えていたようで、温かいものを食べるとほっとしました。
この後、たくさんのご年配の集団が登ってこられて、みんなでワイワイお弁当をひろげていました。
城跡のガイドツアーで来られたようです。
ここからは、高尾山方面を眺めることができます。
この日は見えませんでしたが、富士山が見えることもあるそうです。
さて、下山します。
50分ほどひたすら下ると、八王子城跡の管理棟に到着しました。
すぐ近くにある、城跡の他の見どころの、御主殿跡、御主殿の滝、なども見てまわりました。
今日は、登山を楽しみたくて、せっかくなので、登りと下りと違うルートにしましたが、八王子城跡のみの往復コースでも、十分楽しめると思います。
ガイダンス施設で歴史について知ることができるので、朝に立ち寄ってから登ると一段と楽しめるかと思います。マップの載っているパンフレットも配布しています。
なので、今日の逆のコースの方がおすすめかもしれません。
今日のコースは、地図で見ると短いので、近所の裏山に登るような気軽なつもりで来たのですが、なかなかどうして、しっかりとした登山になりました。
城跡と登山と両方楽しめるぜいたくな山、八王子城山。
できれば歴史をちょっとだけ勉強して、ふらりと登ってみてください。
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他にも八王子城を登ったレポート記事がありますので、参考にしてください!