「高尾山 魔界の殺人 私立探偵・小仏太郎」梓 林太郎
八王子市内の本屋さんで平積みになっていたので、高尾山を舞台にした推理小説ということで読んでみました。
解説によると、以下のようなあらすじです。
「登山客で賑わう山には死を招く魔物が棲んでいる!
東京・葛飾の小仏探偵事務所を訪れた男性中学教師は、
教え子の女生徒との関係を知られたことで脅迫されているという。
脅迫相手である女は自らを警視庁の刑事と称していた。
偽刑事と睨んだ小仏は、教師、教え子と相談の上、
脅迫金の受取り現場で待ちぶせするが、女は現われなかった。
その頃、都心に近い高尾山の森林で死体が発見され…」
個人的には推理小説を読むのが久しぶりだったので、純粋に楽しむ読むことができました。
ただ、高尾山が話の中で出てはきますが、そんなにフィーチャーされている感じではありません。
一般的な観光ルート(たこ杉や薬王院)を越える記述はないので、高尾山ということで興味を持って読むと、やや違うかもしれません。
しかしそれでも、高尾警察署や東浅川という地名が出てきたりするので、高尾近辺に住む八王子市民は読んでいてニヤリとするシーンもあります。
主人公の私立探偵「小仏太郎」の名前は小仏峠を連想させますが、この名前は特にこの「高尾山 魔界の殺人」のためにつくりだされたものではなさそうです。
「小仏太郎シリーズ」はこの他にも何冊か出ていて、この本は第5弾になります。
(他には富士五湖、秋山郷、信州安曇野などが舞台になっています)
とはいえ、著者は山岳推理小説の第一人者ということなので、命名のときに小仏峠のことは頭にあったかもしれませんね。
「小仏太郎シリーズ」のほかにも、道原伝吉や茶屋次郎シリーズなどがあり、そちらでは立山アルペンルートや穂高などが舞台になっているようです。
山好きには他のシリーズも面白そうですね!