薬王院 お正月に備えた注連縄の付け替え作業
薬王院の建物や鳥居には注連縄(しめ縄)が付けられているのですが、1年に1度、新しいものに付け替えられます。
注連縄が付けられているのは、薬王院の境内のほか、滝道場や杉の木など、山内に何十カ所もあるそうです。数があるので、毎年12月の初めから付け替え作業が行われます。
今回はその中でも、一番大きい注連縄が付けられている本堂と本社での作業の様子を取材してみました。
本堂でまず、古い注連縄の取り外し作業が行われます。
古いものはやはり1年経ったせいか、色が茶色っぽくなったり、先がばらけたりしています。
古いものを取り外したところで、新しい注連縄が運ばれてきます。
本堂につけられる注連縄は、薬王院の中で一番大きく重いので、何人かがかりでないと運べません。
これを4人がかりで梁に設置していきます。まずは中心を合わせてくくりつけていきます。
中心が決まったら、両端に注連縄を巻き付けていきます。
本堂の場合、龍の彫り物などあって、神経もつかいそうです。
注連縄の位置が決まったら、溝に押し込んでいきます。
重い注連縄を設置するのはかなり大変そうな作業でした。
やはりすべての注連縄の中で、この本堂の注連縄の設置が一番大変とのことです。
注連縄の重みで時間とともに垂れ下がってきたりするので、そのあたりも計算しなければいけません。
1時間ほどでくくり付けは終りましたが、この後も調整したりしていくようです。
本堂の作業が終ると、すぐ階段をあがったところにある本社の作業に移ります。
ここには建物のほかに鳥居もあって、付け替え作業もひとつだけではありません。
まずは、本社の入り口にある鳥居の注連縄を付け替えます。
この注連縄の付け替え作業をしているのは「八王子消防記念会」の鳶職の方々。
高いところでの作業もさすがの技ですすめられていました。
この注連縄の作業以外にも薬王院のお仕事を常日頃されています。
古くからの伝統を感じますね。
大きな鳥居の作業が終ると、今度は本社の隣にあるお稲荷さんのところで作業が始まります。
この鳥居は小さいので、素人目で見ても、今までよりは楽そうです。
そして本社の注連縄を付け替えます。
ここも本堂よりは小さな注連縄なのですが、両端の彫り物を避けるのに、ずいぶん苦労されていたようでした。
さて、本社での作業が終ると休む暇もなく、今度は杉の木に注連縄を付ける作業になります。
僧侶の方が本堂に向かう階段の脇にある杉の木です。
ここも高所の作業で難しそうです。
朝の9時くらいから始まった作業は、ここまででお昼になり、約3時間くらいの作業でした。
何十カ所も付け替えなければいけないので、もちろん一日ですべてやるわけではないのですが、それでもかなり手早くすすめないといけないようです。
浄心門も前日に付け替えたとのことで、新しい注連縄になっていました。
このような準備があってはじめてお正月が迎えられるのですね。
新年に高尾山に行くときは、ぜひ真新しい注連縄を見てみてください。
薬王院への初詣のレポート記事はこちら。混雑の様子など参考にしてみてください。