暑い季節の高尾山は夕方からのナイトハイクもおすすめ
高尾山は山だから涼しいと思われますが、標高が低いのでそこまで涼しくありません。
むしろ夏は登ってると暑くてつらくなることも。
しかし、日が暮れてくると山はだいぶ涼しくなってきます。
このあたりはコンクリートに囲まれた街中とは違うところかもしれませんね。
そこで、今回は夕方から夜にかけての高尾山登山の様子をご案内します。
普通、夜の山は真っ暗になり危険なこともありオススメできないのですが、高尾山はメインの1号路ではケーブルカー駅から薬王院まで灯りが点いてたり、また、6月中旬〜10月中旬は「高尾山ビアマウント」が開催されていて、ケーブルカーも夜9時まで運行しています。
この1号路を使えば登山未経験者でもナイトハイクを経験できますので、ぜひお試しください。
ただ、山頂へ行くにはライト(懐中電灯でも可)は必須になるので準備をお願いします。
7月上旬のこの日は、17時に高尾山のふもとに着きました。
高尾山のある八王子市では35℃超えの猛暑日を記録して、ふもとはとても暑い日でした。
これから高尾山山頂まで行ってみる計画です。
本当はリフトで登りたかったのですが、リフトは16時30分で営業終了になります。
ケーブルカーは動いているので、ケーブルカーで登ればいいのですが、せっかくなので下から登ってみたくなりました。
という訳で歩いて登り始めたのですが、しかし、これが大失敗。
17時過ぎとはいえまだ暑く、湿気もすごいので、登っていてすごい汗をかいてしまいました。
この時期は素直に乗り物を使った方がいいかもしれませんね。
ケーブルカー高尾山駅近くの「霞台」に到着。
ここから山頂までは、そんなに登りも大変ではないので、暑くてもそんなには疲れません。
夕暮れ時の高尾山は人もまばら。空いてる1号路をゆっくり歩いていきましょう。
ちなみにこのあたりまで来ると、暑さはあまり感じなくなっています。
ふもとの標高が約200m、ケーブルカーの上の駅である高尾山駅の標高が約470mなので、ふもとから300mくらい上がってきている計算になります。
やはりそのくらい上に来ると、この時間、下界よりは涼しくなってきているのだと思います。
薬王院に着くと、いつもとは違う光景を目にしました。
普段、山頂へ登るときに使う本堂の左手にある階段が通れなくなっています。
夜間はここは通行止めになるようです。
案内に従って、本堂の反対側、右手にある階段を登っていきます。
階段の上まで来ると、またいつもと違う様子になっていました。
普段であれば、階段を登って「奥の院」を経由して山頂へ向かうのですが、この階段が立ち入り禁止になっています。
代わりに、普段通れない山道が通行可能になっていて、こちらを迂回して山頂方面へ向かうようになっています。
これら薬王院の中で通行止めになっているエリアには、それぞれ「飯縄権現堂」「奥の院」があり、いずれも東京都指定有形文化財になっているので、夜間は文化財へのいたずら防止の意味もあり立入禁止になっているのかもしれません。
さて、では山道をすすんでいきましょう。
道幅は狭く足元は悪いですが、難所はなく、2、3分程でいつもの道に戻ります。
この時点で18時30分。この日の日没は19時過ぎでしたので、道も明るくまだライトは不要でした。
高尾山の山頂手前には大きなトイレがあるのですが、意外なことに、ここも夜間は閉鎖になっていました。
山頂付近では、山頂のビジターセンターの横にもうひとつトイレがあるのですが、そちらを使用するようにという案内が掲示されていました。
大きな建物なので、人が寝泊まりしたりしないようにする狙いがあるのでしょうか?
山頂に着くと、数名の先客がいました。
外国人観光客、カップル、単独の登山者など。
この時点で18時40分。日没にはまだちょっと時間があります。
山頂の周辺も歩いてみることにしました。
日没前後は、木々に覆われているところと、開けたところで随分明るさが違います。
頭上に木々がある道は早めに暗くなり、広場のように開けたエリアは最後まで明るいです。
もみじ台で誰もいないところで、鳥やひぐらしの音を聞いていたら、いつの間にか時間が過ぎていました。
日没時間は19時ちょっとだったのですが、日没時間を過ぎてもしばらくは明るいままです。
しかし、徐々に周りが暗くなってきたので、高尾山山頂に戻ることにします。
高尾山山頂は開放的なスペースなので、他の場所に比べ、まだ明るいです。
ただ遠くを見ると、街の明かりが見えて、夜景になってきています。
そろそろ本格的に夜になってきそうなので、下山することにしました。
19時35分、山頂から下山スタート。
下り始めの道は、まだライトなしで大丈夫です。
下山し始めてすぐ山の怖さを感じることになります。
登山道でも頭上に木々がないところは明るくて道が見えるのですが、木々が密集しているところは真っ暗で前が見えません。
上の写真は山頂から下山し始めてたった5分のところ。
山頂がまだ明るかったら大丈夫だと思っていたら、もう登山道は真っ暗になっていました。
これはライトがないと歩けません。
もしライトを忘れてしまっていたら、スマホのライトなどを使って、なんとか前方を照らすようにしてください。
ライトなしとライトありで見比べてみましょう。
下の2枚の写真は、同じ場所で撮影したものです。
全然違うことがわかります。
この場所は昼間は多くの人が行き交う、メジャーな1号路です。
薬王院から山頂の間は照明がまったくありませんので、いつも通ってる道だからとライトなしで登らないようにしましょう。
山頂から10分ほど歩いて薬王院まで戻ってきました。
「奥の院」は、登りのときに見たように閉鎖されていますので、迂回路を通っていきます。
迂回路には照明が設置されて明るいのですが、あまり整備されていない山道ですので、気をつけてすすみましょう。
本社(飯綱権現堂)も通り抜けできませんので、違う道で降りていきます。
本堂まで来ると、寺社建築が灯籠などのほのかな明かりに照らされて、とても美しくなっていました。
夜の境内は静かで、とても素敵な雰囲気でした。
薬王院から下は街灯が設置されているので、安心して歩けます。
ここからはのんびりと、夜の高尾山歩きを楽しめます。
ちなみに薬王院を出たのがちょうど20時くらいでした。
このあたりまで下りてくると、昆虫観察の人を何人か見かけました。
夏はケーブルカーで楽に上がって来れるので、登山以外にも自然観察で夜に訪れる人がいそうです。
ケーブルカー高尾山駅まで戻ってきました。
駅の隣では「高尾山ビアマウント」が絶賛開催中です。
外から見ると不夜城みたいでかっこいいです。
さあ、ひとしきりナイトハイクを楽しんだのでケーブルカーで下山します。
すぐケーブルカーで下山できるのが、高尾山ナイトハイクのいいところです。
他の山だと、こうはいきません。
ケーブルカーに乗車したときはあまり人がいなかったのですが、出発までの間にビアマウント帰りの人がたくさん乗ってきて、みんな酔っ払っていて賑やかです。
先程までの静寂から一気に現実社会に戻ってきた感じがして、これはこれで面白いです。
ケーブルカーを使うと6分であっという間にふもとに到着です。
ビアマウントが開催しているおかげで、遅い時間まで山を楽しめました。
(この日の下山時間は20時40分でした)
夏は高尾山のような低山は暑くて登るのが大変になりますが、時間を少しずらせばかなり快適に楽しむことができます。
ケーブルカーで時間短縮できるのも高尾山ならでは。
ぜひ夏の夜の高尾山登山をトライしてみてくださいね。
(1号路以外はまったく照明がないので、山の経験がない方にはオススメしません)