登山グッズ紹介

VOL03 レインウェア

快適登山を左右する必須アイテム:レインウェア 最適なものを常備しよう。

第3回のテーマは、快適な登山を左右する必須アイテム「レインウェア」。
山の天気は何かと変わりやすいもの。雨対策も万全で臨みましょう。良いレインウェアがあれば、雨の高尾山も楽しめるようになりますよ。

今回の先生=好日山荘 池袋西口店 ストアチーフ 伊佐直浩さん
今回の先生=好日山荘 池袋西口店 ストアチーフ 伊佐直浩さん

レインウェアの選び方

レインウェア選びのポイントは?
まず最初に考えることとして

1)出かける頻度
2)どういうところに行くのか
3)今後、どういうところに行きたいのか

この3点を検討してみましょう。

「一回しか使わない」「今回は高尾山だけれど、尾瀬に行きたい」「今後は屋久島に行きたい」など。
色々な利用シーンがあると思います。例えば屋久島などは年中雨が降っているところです。
どうせなら少々値がはっても、動きやすく、蒸れにくいモノを選んだ方が楽しい旅になると思います。
素材はやはり“蒸れにくさ”から「GORE-TEX™(ゴアテックス)」がオススメ。しかし予算の問題もあるので、メーカー独自素材を使った経済的なモノなどと“着比べてみて”選ぶとよいでしょう。

たくさんあるゴアテックス製品:メーカーごとの違いは?

以前はゴアテックス自体のバージョン違いもありましたが、現在の最大の違いは「裏地」にあります。

裏地を比較してみる
裏地の比較もポイント。

最近は「ツルツルした触感」の生地も多くなっています。こちらの方が衣服の上に着た時にすべりがよくなり、これが動きやすさ=腕まわりのまとわりつきや、ズボンを履いた時、膝まわりのツッパリ感の軽減になっています。
そして軽いことも特徴。レインウェアは一般的には「着ない時が多いアイテム」です。ザックに入れて運ぶ時に、大きいモノよりは小さいモノ、重いモノよりは軽いモノの方がよいことは言うまでもありません。

このように細かいところでバリエーションの多いレインウェア。
裏地もサラサラしたモノや、カラフルなモノ、着心地もよく動きやすいモノ、またゴアテックス以外でもストレッチ性のある生地を使ったモノなど様々。お店で試着して自分にあった感触を確かめて、ピッタリのモノを見つけましょう!

裏地が派手なモノもある
裏地がカラフルなモノも。
ストレッチ素材を使ったレインウエアタグ
ストレッチ素材を使ったレインウエアも。

ゴアテックスは性能長持ち

防水透湿素材としてゴアテックスは有名です。これにならい各社も独自素材を開発していますが、初期段階はともかく長く使っていると性能の維持という意味で、やはりゴアテックスが優れていると思います。
最近では各社から、新素材を用いた雨具も出てきています。数値的な性能ではゴアテックスに迫るものなども出てきており、選択肢も増えてきました。

サイズについて

若干ゆったり目を選択した方がよいでしょう。冬場はシャツ+フリースなどの組合せになりますので、その場合も考えて選択しましょう。夏場も暑くなりにくいですし、動きやすくなります。
メーカーによってサイズ感が違うので、色々と試着して自分にあったモノを選びましょう。
(※トレランなどの使用にはタイト目が好まれます)

色について

好みの問題でもありますが、行く場所と季節によって考えた方がよい要素ではあります。
写真を撮るときの見栄えなどの意味でも明るい色をオススメすることが多いです。
視認性からも「目立つ」ことを意識した方が良いかもしれません。好みでウェアを暗めの色にした場合、ザックカバーやグローブだけも明るい色にした方が良いかもしれません。

レインウエアの売り場
豊富なバリエーション 自分にあった一着を。

これは笑い話ですが、仲間と登山にいった時、上下黒っぽい色のジャケットを着た人がトイレに行きました。走って追いかけてきたのですが、一瞬「クマが出た!」と驚いた経験があります(笑)。
丹沢などでは鹿撃ちの人などもいますので、季節によっては動物と勘違いされない意味でも明るい色がオススメです。
紅葉の時期に周りに溶け込むということで避ける人もいますが、一年を通して考えるなら、赤や黄色が無難な選択かもしれません。

ファスナーについて

止水ファスナーを使ったモデルは、フラップもありませんし、軽く使いやすいです。

高いジッパー
これが止水(しすい)ファスナー

カッコイイのですが、空けるか閉めるかしかできません。
一方、フラップのあるモデルは、ジッパーを閉めずに、マジックテープだけを閉じることができます。こうすると適度に風を入れることができます。

かぶせがあるとジッパーをしめずに面ファスで通気
フラップだけを閉めれば通気性が更にアップ。状況により使い分けを。

フードについて

フードも襟に格納するタイプと、出しっぱなしのタイプがあります。
どちらが良いかは個人差なので、この点も実際いくつか試してみてフィットするものを選びましょう。
年配の方は襟がないと嫌という方も多いですが、若い方は出しっぱなしの方を好まれる傾向があります。こちらは雨が降ってきたら直ぐに被れる利点があります。

パンツについて

ほとんどのタイプがサイドにジッパーがあり、靴を履いていても着用できるようになっています。膝くらいまであれば、とっさのときも楽に着用できます。
まれに量販店などではサイドジッパーが無いモノがあります。この場合、雨が降ってきて着用する際に、濡れてしまうことになります。
山用にはサイドジッパーのあるモノを是非。

パンツのジッパー
パンツのジッパーも要チェック。

その他のレインウェア:レインジャケット、パンツのセパレート、ポンチョ

ポンチョは、足元も見えませんし、風でバタついてしまい、“山歩き”と言う意味では危ないですし、意外と濡れるものなのでオススメはしていません。
用途としては散策や野外フェスなど、あまり動きまわったりしないシーンに限った方がよいでしょう。

レインジャケットだけ購入する人もいますが、パンツも揃えましょう。
夏場のムシムシした時の霧雨などの時は撥水性のあるパンツでも大丈夫と思うかもしれませんが、運動していない時=休憩のときなど身体が冷えてしまいます。
夏でも低体温で動けなくなる時があります。この点でもレインウェアは重要なのです。

上下別々に購入した場合、素材の質感や色合いが揃わないのでセット=レインスーツで揃えた方が良いかも知れません。

意外な盲点?

ポケットにものを入れると自分の湿気で湿ってしまいます。
携帯電話などを、そのまま入れてしまうと蒸れていたり、ポケットティッシュを入れていたらフニャフニャになっていたりとか。これは注意して下さい。

オススメレインウェア

ベルグテックEXストームセイバー4レインスーツ/MIZUNO(ミズノ)

ベルグテックEXストームセイバー4レインスーツ/MIZUNO(ミズノ)

13,500円(税別定価)

ミズノ社独自素材ベルグテックEXを採用したレインスーツ。この価格帯ではオススメ。使用頻度が低い場合の選択肢の一つに。

wear02

レインテックス プラズマ/THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)

37,000円(税別定価)

性能も十分。価格も標準的。デザインも良く人気のモデル。

wear03

ゴアテックス サンダーストーム レインスーツ/MAMMUT(マムート)

43,000円(税別定価)

登山だけでなく、タウンでの使用も可能なデザインで人気。

※好日山荘さんの場合、ゴアテックス製品のアウトレットや、自社ブランドで30,000円を切る製品展開も用意されているので要チェック。

メンテナンス:使ったら洗う 長く使う秘訣

レインウェアを長く使うには、メンテナンスが重要。
基本的に「使ったら洗う」を習慣にしていれば、きれいさを保ち、結果として長く使えることになります。

山に行っている間は

山に行っている間は、
泥や汗の汚れは早く落とす
そして
濡れている時間はできるだけ短く
を心掛けましょう。

ウェアは乾かせる状況になったら乾かしましょう。
“濡れたまま”は、撥水性の劣化にもつながります。
濡れたままビニールなどの袋に入れっぱなしは厳禁です。
小屋や休憩所に着いたら、なるべく早く取り出して乾燥させましょう。

日頃メンテナンスをしていて撥水性が保たれているレインウェアであれば、水も“玉”の状態なので、軽くはたけば直ぐに乾きます。
この“水玉コロコロ”の状態をキープするように、メンテナンスはしっかりしましょう。

また、リュックがあたる肩や腰の部分はこすれて傷みやすいので、この部分だけは使う前からスプレー(防水や撥水)することもオススメです。

家に帰ったらクリーニング

表面の汚れ”と“裏地の皮脂汚れ”。
これをまず落とします。

表の泥汚れ
表面の汚れをまず落とす。

よく袖口や襟まわりが黒ずんだりしているものがありますが、これは皮脂汚れです。放置していると落ちにくくなります。

裏の皮脂汚れ
袖口、首周りには皮脂汚れが。これもよく落とす。

パンツの裾などは、どうしても汚れやすい個所。
ここは軽くもみ洗いしたり、柔らかいスポンジなどを使って湯洗いすればきれいになります。

ごしごしもみ洗い
汚れがひどい時はもみ洗い。

洗うときは“中性洗剤”か“専用洗剤”を使ってしっかり洗って下さい。
(香料と柔軟剤は使用をさけます)

メンテナンス用品も充実。
クリーナー、撥水剤などメンテナンス用品も充実。

ウェアに付いている「洗濯表示タグ」を確認することも大事です。

タグに従う
洗濯表示タグの内容を必ず確認。

洗うときは“すすぎ”をしっかりとするようにしましょう。

ゴアテックスは洗わない?

何十年か前までは“ゴアテックスは洗わないで下さい”といった変な神話(?)がありましたが、誤解のようです。
お店の方が以前、ゴアテックスの担当者に話を伺ったときも「毎回、洗っています」と言っていたそうです。
また、ゴアテックスを使っていても「蒸れる」「水を弾かない」などと聞くことがありますが、これはゴアテックス自体の問題ではないようです。
表面生地の撥水性を維持すれば、ゴアテックス本来の性能は長期間維持できます。
(※ゴアテックスのレインウェアは表地と裏地でゴアテックスを挟む構造)
表地の撥水性が低下して生地に水がしみ込んだ状態だと、その部分は空気を通さなくなるので蒸れるし、冷たくもなるのです。
持ち込まれたウェアも検査すると汚れが原因、ということが多いです。クリーニングすれば機能は戻ります。

撥水性をキープするアイロン掛け

洗濯表示タグの表示に従ってしっかり洗い、可能ならアイロン掛けをする。
これは大切なポイントです。

熱を加えることで、生地の撥水剤がしっかり定着します。
アイロン掛けの有無で、素材のモチが格段に違ってきます。
極端な話、新品の場合はクリーニングとアイロンだけでも撥水性が戻るくらいです。

良く言われる例えですが、葉っぱは表面に細かい毛が生えていてこれで水を弾きます。
ウェアの表面も同じ理屈です。
ほったらかしだと繊維が寝たままや色んな方向にたってしまいますが、アイロンをかけると同方向に均一になり、新品に近い撥水性にすることができます。

撥水剤で撥水効果を復活

何回も洗濯をしていると、どうしても生地の撥水性が落ちてしまいます。
そんな場合は、撥水剤の出番です。

なかにはクリーニングと同時に撥水加工できるものも。
なかにはクリーニングと同時に撥水加工できるものも。

撥水剤には、“漬け込みタイプ”と“スプレータイプ”があります。
新品の場合は、水を弾くので漬け込みタイプよりはスプレータイプを使います。
逆に使い込んだものは、漬け込みタイプを。

漬け込みタイプの撥水剤は作業が楽。
水溶性なので水がしみ込むところ=生地にしっかり浸透します。
洗濯をした後、もう一度水を張り、そこに撥水剤を入れてもう一度洗濯機を回し、しっかりすすげば完了です。

撥水剤を使っても状態が戻らない場合は、全体に劣化しているので買い替えの時期となります。

店舗写真好日山荘 池袋西口店

〒171-0021 東京都豊島区西池袋3丁目27-12 池袋ウエストパークビル(GoogleMap
TEL:03-5958-4315
営業時間:11:00〜21:00
好日山荘HP:http://www.kojitusanso.jp/

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