初めての高尾山。初めての薬王院。そして初登頂
就職を機に関東へ移住してからはや8年。京王線沿線に移住してからだと丸3年がたちました。
それでも未踏の地だった高尾山だったのですが、本日ついに登ってまいりました。
お目当ては高尾山薬王院です。
京王線北野駅を過ぎると緑が多い。同じ八王子市でも八王子市街と高尾では雰囲気が違います。
そして高尾線終点、高尾山口駅で下車。隈研吾氏によるいい建物です。
改札を出るとすぐトリックアート美術館が見えました。気になるスポットです。
駅から少し歩くと「え? もう登れるの?」といった塩梅にケーブルカーの駅に行き当たります。
初心者(そしてインドア体力なし)のため迷わずケーブルカー利用です。
(リフトは本日運休のため断念しました。決して高いところが怖いからではありません。)
乗り場の横になにやらきれいな白い花が咲いているので見ていたら、これはこの時期だけ見られるセッコクというものだと教えてもらいました(この木に咲いているのではなく、着生しているそうです)。
そして先頭の特等席に陣取ることに成功。
中ほどで下り便とすれ違います。
日本一の急勾配を越えて高尾山駅に到着です。
平日のお昼過ぎなのですが、そこそこの賑わいを見せています。さすが人気の観光スポットです。
高尾山スミカの脇を通り抜け、霞台展望台からの景色を鑑賞。写真を撮っている人がたくさんいました(自分もですが…)。
薬王院までは約20分。
タコ杉を見、その脇の「開運ひっぱり蛸」をなでさするなどして進みます。
ちなみにこの日の服装は「1号路を普通に歩く分には特別な装備は必要ない」との前情報を得ていたので、普通の半袖Tシャツに綿パン+履きなれたスニーカーだったのですが、帽子があった方がよかったかと思いました(日焼けは気にしないどころかむしろしたいのですが、頭がけっこう熱くなるので)。
善男善女に混じって薬王院に到着です。
門を入ってすぐのところに天狗様発見。お二人とも鼻の長くない天狗様です。
天狗のように高所をとびまわる鳶職の方々からの信仰が篤いようですね。
少し歩くと「願叶輪潜(ねがいかなうわくぐり)」があります。
輪をくぐって大錫杖を打ち鳴らします。皆さんどんな願い事をされるのでしょう?
ところで薬王院の中興本尊とされる稲綱大権現様ですが、なかなかユニークなお姿をお持ちのようです。
五体合相(不動明王、迦楼羅天、荼枳尼天、歓喜天(←ガネーシャ様です)、宇賀神+弁財天)ということで、すさまじいご利益がありそうです。
仏様と神様が合体しているのでどう拝めばよいかわからなかったのですが、本堂にいらっしゃる飯綱様は仏様として「南無飯綱大権現(なむいづなだいごんげん)」と拝むとのことでした。
大本堂の向かって右側には愛染明王様をお祀りする愛染堂、歓喜天様をお祀りする聖天堂、(写真には写っていませんが)弘法大師様をお祀りする大師堂があります。
愛染堂と聖天堂は1990年代に新しく建てられたもの。
その昔、「高尾山にカップルで来るとうまいこと別れられる」というジンクスがあったようで、その汚名返上(悪縁を断ち切ってくれるというのも大切なことだと思うのですが…笑)のため、良縁成就、結婚成就、夫婦円満に御利益のある愛染明王様と歓喜天様をお祀りしたとのことです。
かつての縁切り山の新機軸・「縁結びの山」です。
大本堂の手前には売店が並んでいます。
天狗モチーフのお土産ものが目立ちました。
お守り売場です。
もともとは薬師如来様をご本尊としていたということなので、体調を崩している家族のために「無病息災・ぼけ封じ」をいただきました。「六つの瓢箪」の「六瓢(むびょう)」に「無病」をかけているのです。
その他商売繁盛や交通安全などの定番に加え、腰痛平癒・健脚祈願守というのもありました(天狗の健脚にあやかるお守り。下駄の形)。
階段をのぼっていくと御本社があります。極彩色の彫刻は目が覚めるような華麗さ。
こちらも飯綱様、そして弁才天様がお祀りされています。
本社の向かって左には荼枳尼天様をお祀りしている福徳稲荷社と天狗様をお祀りしている天狗社があります(寺院の敷地なのですが鳥居がありますね)。
しかし薬王院、たくさん神仏がいらっしゃいます。
弁天洞(弁才天様)と仏舎利奉安塔(タイから寄贈された仏舎利)はお参りし損ねてしまいました。
参拝を済ませたところで下山する予定だったのですが、山頂までは30分くらいとのことだったので、せっかくなので行くことにしました。
108の煩悩を感じながら階段をのぼるのも魅力的だったのですが、あまり調子に乗ると疲れて降りてこられなくなるという非常に重要な問題があったので女坂を行きます。
とはいえ坂道なので、日ごろの著しい運動不足を軽く思い知ることになりながらの初登頂です。
平日なのでご年配の方(私より元気!)が多かったのですが、外国人観光客や赤ちゃん連れの家族もいました。軽めのベビーカーがあれば、赤ちゃん連れでも余裕をもって楽しめるようです(赤ちゃん本人も楽しそうにしていました)。
ところで『高尾の天狗と脱・ハイヒール』によると、主人公をして「登山って痩せない」と言わしめるほど、高尾山にはおいしい食べ物がたくさんあるようです。本日は暑くてあまり食欲がわかず(気温はそれほどでもなかったのですが湿度が高かったのです)、そばも団子もスルーしてしまったのですが、次回はこのあたり楽しみたいと思います(もちろん薬王院2回目も)。
というわけで私(インドア)でも登れました高尾山。次は6号路に挑戦したいと思います。
※翌日ふとももが筋肉痛でバキバキになりました。
(2018年5月17日取材)