見どころ

たこ杉(蛸杉)

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根が蛸のように曲がった杉の木。道を開く開運のご利益も。

1号路さる園を過ぎたあたりに、根がまるでたこの足のように曲がりくねった杉があります。
その名も「たこ杉(蛸杉)」。

高さ37メートル、目通り幹囲(人間の目の高さで測った幹まわり)約6メートルのひときわ大きな杉の木で、高尾山の中では飯盛杉に次ぐ大木です。
八王子市指定天然記念物にもなっています。

根が蛸のように曲がりくねっています。
全体を写真におさめるのが難しいほど高い木です。

たこ杉には有名な伝説があります。
昔、薬王院へ続く参道を天狗衆が工事していると、どうにも大きくて邪魔になる杉があり、この杉を切り倒して取り除くしかない、ということになりました。
その話を聞いた杉は、一晩のうちに根をくるくると曲げ、参道の邪魔にならないように道をあけたということです。
昔の人はこれを天狗様の神通力といってありがたがったそうです。

この逸話から、たこ杉は「道を開く=開運」ということで開運の杉として祀られるようになり、多くの人が御利益を求めて根を触るようになりました。

以前は根に空いた穴(うろ)を、皆さん触っていたようです。

最近では樹齢450年を超えることもあり、あまり人が触ると木に良くないということで、2007年に保護のための柵ができています。
代わりに蛸の石碑ができたので、御利益が欲しい人はそちらをなでるといいでしょう。

柵にある注意書き。さわらないで!
「開運ひっぱり蛸」。みんな蛸の頭をなでなでしています。
2007年より前の写真。以前は柵がありませんでした。

たこ杉はご神木としてありがたられ、幹にはしめ縄が飾られています。
また「蛸」ということで、水産・市場関係の方も「蛸供養碑」を奉納しています。

蛸供養碑。築地や横浜、川崎、静岡などの市場の名前も。

ケーブルカーを降りて薬王院に続く道沿いに、たこ杉はあります。
アクセスしやすい場所にありますので、ぜひ足をとめてこの不思議な木を見てみてみましょう。

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